配信や録音の音質を上げたいと思ったとき、必ず出てくるのが「XLR接続」という言葉。USBマイクとは何が違うのか、PCにどうやってつなげばいいのか、わからないことだらけですよね。
結論から言うと、XLR接続のマイクをPCで使うには「オーディオインターフェース」が必要です。ただし、最近はXLR-USB変換ケーブルや、USBとXLR両対応のマイクも登場しており、選択肢は広がっています。
この記事では、XLR接続の基本からPCへの接続方法、おすすめのマイクまでをまとめました。初めてXLRマイクを導入する方でも、この記事を読めば自分に合った機材選びができるようになります。
XLR接続とは?基本を押さえよう

XLR接続について解説する前に、まずは基本的な仕組みを理解しておきましょう。
かめ先生ここを押さえておくと、機材選びで失敗しにくくなります。
XLR端子の特徴と構造
XLR端子は、プロの音響現場で標準的に使われている接続方式です。「キャノンコネクター」とも呼ばれ、アメリカのキャノン社が開発しました。
形状は3つのピンを持つ「3極コネクタ」で、ピンが出っ張っている側が「オス」、穴が空いている側が「メス」です。マイク本体にはオス端子が付いており、ケーブルのマイク側がメス、機器側がオスになっています。
XLR端子の大きな特徴は「バランス伝送」に対応していること。これは信号を2つの逆位相で送り、ノイズを打ち消す仕組みです。長いケーブルを使っても音質が劣化しにくく、ライブやレコーディングの現場で重宝されています。
また、ロック機構が付いているため、演奏中や配信中にケーブルが抜けるトラブルを防げます。プロの現場で使われる理由がここにあります。
XLR接続とUSB接続の違い
マイクを選ぶとき、XLR接続とUSB接続で迷う方は多いでしょう。両者の違いをまとめました。
| 比較項目 | XLR接続 | USB接続 |
|---|---|---|
| 音質 | 高い(外部機器で調整可能) | マイク内蔵の回路に依存 |
| 手軽さ | オーディオインターフェースが必要 | 直接PCに接続できる |
| 価格 | 総額は高くなりやすい | マイク単体で完結 |
| 拡張性 | 複数マイクの同時使用が可能 | 基本1本のみ |
| 遅延 | 少ない(インターフェース性能次第) | 製品による差が大きい |
USBマイクは内部に簡易的なオーディオインターフェースを搭載しています。そのため手軽に使える反面、音質の調整幅には限界があります。
一方、XLRマイクは外部のオーディオインターフェースを使うため、より高品質な音声処理が可能です。ゲインやEQ、コンプレッサーなどを細かく調整できるのも強みです。



どっちを選べばいいの?



「まずは試してみたい」ならUSBマイク、「本格的に音質にこだわりたい」ならXLRマイクがおすすめです。
予算1.5万円以下ならUSB、それ以上出せるならXLR+オーディオインターフェースを検討しましょう。
XLRマイクをPCに接続する3つの方法
XLRマイクはPCに直接つなぐことができません。では、どうすればPCで使えるのでしょうか。主な方法は次の3つです。
- オーディオインターフェースを使う(基本・高音質)
- XLR-USB変換アダプターを使う(簡易・低コスト)
- USB/XLR両対応マイクを選ぶ(柔軟性重視)
オーディオインターフェースを使う方法【基本】
最も一般的で、音質面でもおすすめなのがこの方法です。接続の流れは以下のとおり。
- XLRケーブルでマイクとオーディオインターフェースをつなぐ
- オーディオインターフェースとPCをUSBケーブルで接続
- PCの設定で入力デバイスをオーディオインターフェースに変更
コンデンサーマイクを使う場合は、ファンタム電源(+48V)をオンにする必要があります。ダイナミックマイクには電源供給は不要です。
オーディオインターフェースのメリットは、音質調整の自由度が高いこと。ゲイン(入力音量)の調整、遅延の少ないモニタリング、複数マイクの同時使用など、配信や録音の幅が広がります。
XLR-USB変換アダプターを使う方法【簡易】
オーディオインターフェースを買うほどではないけど、手持ちのXLRマイクを使いたい。そんなときに便利なのがXLR-USB変換アダプターです。
代表的な製品として、SHURE MVX2UやエレコムのマイクUSBケーブルなどがあります。XLRマイクに直接取り付けて、USBでPCに接続するだけ。シンプルな構成で手軽に導入できます。
- ダイナミックマイク専用の製品が多い(ファンタム電源非対応)
- コンデンサーマイクを使いたい場合はファンタム電源対応か確認
- 音質はオーディオインターフェースより劣る場合がある
価格は2,000円〜15,000円程度。簡易的に使いたい場合や、すでにXLRマイクを持っていてUSB接続を試したい場合に選択肢になります。
USB/XLR両対応マイクを選ぶ方法【柔軟性重視】
最近増えているのが、USBとXLRの両方に対応したマイクです。SHURE MV7+やオーディオテクニカ AT2040USBなどが代表的。
このタイプのメリットは、状況に応じて接続方法を変えられること。普段はUSBで手軽に使い、本格的な録音時はオーディオインターフェース経由でXLR接続、という使い分けが可能です。
「将来的にオーディオインターフェースを導入するかもしれないけど、今は予算がない」という方にも向いています。
オーディオインターフェースの選び方
XLRマイクを本格的に使うなら、オーディオインターフェース選びが重要です。選ぶときのポイントを解説します。
初心者が押さえるべき3つのポイント
1. 入力端子の数
1人で配信するなら入力1〜2系統で十分です。2人以上での配信や、ギターなども同時に録りたいなら4系統以上を検討しましょう。
2. ファンタム電源の有無
コンデンサーマイクを使うなら必須です。ほとんどの製品に搭載されていますが、安価なモデルでは省略されていることもあります。
3. ループバック機能
配信中にBGMを流したい場合は、ループバック機能があると便利です。PCの音声とマイク音声をミックスして配信ソフトに送れます。
初心者におすすめのオーディオインターフェース
価格帯別に定番モデルを紹介します。
| 価格帯 | 製品名 | 特徴 |
|---|---|---|
| 1万円以下 | BEHRINGER UM2 | とにかく安い入門機。必要最低限の機能 |
| 1〜2万円 | Steinberg UR22C | バランスの良い定番。配信にも録音にも |
| 1〜2万円 | Focusrite Scarlett Solo | 音質に定評あり。マイクプリが優秀 |
| 2〜3万円 | YAMAHA AG03MK2 | ループバック対応。配信特化型 |
迷ったらSteinberg UR22CかYAMAHA AG03MK2を選んでおけば間違いありません。どちらも日本語のサポートが充実しており、初心者でも安心して使えます。
【用途別】おすすめXLRマイク
XLRマイクには大きく分けて「コンデンサーマイク」と「ダイナミックマイク」があります。用途に合わせて選びましょう。
コンデンサーマイクのおすすめ
感度が高く、繊細な音まで拾えるのがコンデンサーマイクです。歌配信や宅録、ASMRなどに向いています。ただし周囲の環境音も拾いやすいため、静かな環境での使用が前提です。
audio-technica AT2020
配信者なら一度は名前を聞いたことがある定番マイク。200万台以上売れた実績があり、クセのない素直な音質が特徴です。日本の湿度環境にも強く、耐久性も高い。迷ったらこれを選べば間違いありません。
audio-technica AT2035
こちらはAT2020の上位モデル。ショックマウントが付属しており、ローカットスイッチも搭載。配信ではローカットをONにすることで、低音のこもりを軽減できます。実質的な価格差を考えると、こちらの方がコスパは良いかもしれません。
ダイナミックマイクのおすすめ
頑丈で環境音を拾いにくいのがダイナミックマイクです。ゲーム実況やトーク配信に向いており、多少騒がしい環境でも使えます。電源不要なのも手軽なポイント。
SHURE SM58
世界で最も売れているマイクと言っても過言ではないロングセラー。プロのライブステージでも定番です。声の存在感を引き出す中域の押し出しが特徴で、声質に合えば唯一無二の相棒になります。
audio-technica AT2040
配信・ポッドキャスト向けに設計されたダイナミックマイク。超単一指向性で周囲のノイズを拾いにくく、ポップフィルターも内蔵。キーボードの打鍵音が気になる方にもおすすめです。
SHURE MV7X
人気マイクSM7Bと同じ設計思想で作られた配信特化モデル。Voice Isolation Technologyにより、声だけをクリアに収録できます。価格は高めですが、音質と使い勝手のバランスが優れています。
XLR接続に関するよくある質問
XLRマイクをPCに直接つなげないの?
基本的にはつなげません。PCのマイク端子は「プラグインパワー」という方式で、XLRマイクとは規格が異なります。XLR端子を3.5mmプラグに変換するケーブルも売っていますが、ほとんどの場合まともに音が出ないか、ノイズだらけになります。オーディオインターフェースか、XLR-USB変換アダプターを使いましょう。
コンデンサーマイクとダイナミックマイク、どっちがいい?
用途と環境で選びましょう。静かな部屋で歌や声の収録をするならコンデンサーマイク。生活音やキーボード音が気になる環境、または頑丈さを求めるならダイナミックマイクがおすすめです。最近は配信向けダイナミックマイクの選択肢も増えており、必ずしもコンデンサーが上位というわけではありません。
XLRケーブルの長さはどれくらいが良い?
一般的なデスク環境なら3m〜5mで十分です。XLRはバランス伝送なので、長いケーブルを使っても音質劣化は少ないですが、取り回しを考えると必要以上に長いものは避けた方が良いでしょう。なお、安価すぎるケーブルはノイズの原因になることがあるため、定番メーカーのものを選ぶと安心です。
ファンタム電源って何?必要なの?
コンデンサーマイクを動作させるための電源(+48V)です。コンデンサーマイクを使うなら必須で、オーディオインターフェースからケーブル経由で供給されます。ダイナミックマイクには不要です。ファンタム電源をONにしたままダイナミックマイクをつないでも、基本的に壊れることはありません。
XLR接続まとめ
XLR接続のマイクは、USBマイクよりも高音質で、調整の幅も広い選択肢です。ただし、PCに接続するにはオーディオインターフェースが必要になるため、初期費用は高くなりがちです。
「予算を抑えたいけど音質は妥協したくない」という方は、まずはマイク+オーディオインターフェースで3万円前後の組み合わせを目指すと良いでしょう。AT2020+Steinberg UR22Cの組み合わせは、多くの配信者に支持されている鉄板構成です。
一方、「まずは手軽に試したい」という方には、USB/XLR両対応マイクやXLR-USB変換アダプターという選択肢もあります。自分の用途と予算に合わせて、最適な機材を選んでみてください。













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