法人向けレンタルサーバーと称される「XServer(エックスサーバー)ビジネス」ですが、本当に必要なのかどうか悩んではいないでしょうか?
同じくXServerでは「XServerレンタルサーバー」という、一般的には「個人向け」とされる共用レンタルサーバーを提供しています。
法人なら誰でも、「XServerビジネス」を選ぶべきなのでしょうか? この答えは「No」です。
本記事では、XServerビジネスがおすすめな人や、デメリットもしっかりお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
本記事執筆者のFikaでは、多数の法人様のホームページ制作やオウンドメディア代行を承っています。法人目線でレンタルサーバーに関わる機会が多く、当サイトもXServerを利用しています。
「XServerビジネス」と「XServerレンタルサーバー」の違いは?
以下は、一般的には法人向けとして提供されている「XServerビジネス」と、個人向けといわれる「XServerレンタルサーバー」の違いを、わかりやすく比較した表です。
XServerビジネス ※一般的に法人向け | XServerレンタルサーバー ※一般的に個人向け | |
---|---|---|
利用目的 | 大規模ビジネスサイト ホームページ制作代行 ホームページ運用代行 | 一般的なホームページ ブログ |
ディスク容量 | 700GB〜 | 500GB〜 |
サーバー速度 | 安定感重視 | 高速化の可能性重視 |
安定性 | 稼働率99.99%以上保証 SLA(品質保証制度) | 稼働率99.99%以上を堅持 創業から20年以上の信頼 |
月額費用 | 3,762円〜 (3倍以上〜) | 990円〜 |
初期費用 | 初期費用あり 16,500円 | 初期費用なし 0円 |
サポート | 設定おまかせサポート ホームページ無料制作サービス ホームページ運用代行 | 有料サポートあり |
独自ドメイン 永久無料特典 | 法人向け.co.jp取得可能 16種類から | 2つ2つ .com/.netなど 11〜12種類から |
公式サイト | XServerビジネス公式 | XServerレンタルサーバー公式 |
料金の違い
まず目がいくのは「料金の違い」でしょう。当然ながら「XServerビジネス」の方が高く、最低プラン同士の比較でも3倍以上の差がつきます。
その上、「XServerレンタルサーバー」は初期費用無料なのに対し、「XServerビジネス」では16,500円の初期費用が発生。
年間で最低プランを契約した金額をシミュレーションしてみましょう。
- XServerビジネス
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月額3,762円*12ヶ月 + 初期費用16,500円 = 年間61,644円(初年度)
- XServerレンタルサーバー
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月額990円*12ヶ月(初期費用なし)= 年間11,880円
大きな金額差ですよね。したがってXServerビジネスは気軽に申し込めるサービスではないことが実感できると思います。
もちろん、それだけXServerビジネスのスペックや安心保証、サポート制度が充実しているということでもあります。次項より、もう少しサービス内容について、比較をみてみましょう。
稼働率、安定性、スペックの違い
「稼働率」は、 どちらも99.99%と書いてあると思います。しかし、微妙な違いがあるんです。
- XServerビジネスは「稼働率99.99%以上保証」
- XServerレンタルサーバーは「稼働率99.99%以上を堅持」
違いは「保証されているかされていないか」です。レンタルサーバーにおいて、この違いはとても大きいものになっています。
XServerレンタルサーバーの方は、稼働率99.99%以上を保証はしていません。これは、月間のサーバー稼働率が99.99%を下回る可能性があり、その場合の保証もとくにはない、ということになります。
アクセスの多い大規模なサイトほど、数分〜数時間の障害はビジネス上の損害につながりかねません。
XServerビジネスは「稼働率99.99%以上保証」で、さらに「SLA(品質保証制度)」というものを定めています。これは、稼働率が99.99%を万一下回った場合、サーバーの非稼働時間に応じて月額利用料の一部を返金してもらえる制度です。
そもそもXServerビジネス自体、XServerレンタルサーバーよりも安定感のあるサーバー設備を搭載しており、障害が発生しづらいサーバーとなっています。
対してXServerレンタルサーバーの方は、稼働率に保証はないものの、速度向上を目的に積極的にサーバー設備を更新しており、どちらかというと速度面に重きをおいています。
以上をまとめると、アクセス流入が多く安定性が重要となる大規模サイトにおいて、XServerビジネスがおすすめになります。
それ以外のケース、法人においては新しくホームページを立ち上げるような場合であれば、XServerレンタルサーバーで十分です。
サポートの違い
実は、サポート体制にも大きな違いがあります。
「XServerレンタルサーバー」の方は、一般的なメール・チャット・電話によるサポートが存在。
「XServerビジネス」の方は、上記の一般的な問い合わせ手段に加え、法人向けの無償サポートサービスが提供されています。それが主に以下の3つです。
- 設定おまかせサポート
- ホームページ無料制作サービス
- ホームページ運用代行
読んで字のごとく、ホームページの制作から運用代行までしてもらえるのがXServerビジネスの強み。
このサービスは、Web担当者がいない法人においては大変ありがたいサービスとなっています。
Web担当者がいない法人では、フリーランスや制作会社などの外注業者を探し、制作から保守運用するケースが多いです。
しかしながら、外注業者を探せずに困っている法人にとって、レンタルサーバーを契約するだけでホームページを持てるうえ、保守や運用(更新)まで担ってもらえるのは便利。
本来外注業者に払う制作・保守費用が上乗せされていると考えると、XServerビジネスの月額費用(また年間費用)の差も納得できるかもしれません。
独自ドメイン永久無料特典の違い
レンタルサーバー契約時、どちらのサービスでも独自ドメインの永久無料特典(※条件あり)があります。
XServerビジネスでは、「.co.jp」ドメインが取れるという強みがあります。
よくみたことがあるかと思いますが、この「.co.jp」は法人専用ドメインとよばれ、コーポレートサイトのドメインとして使えば箔がつきます。たとえばYahoo!のドメインは「yahoo.co.jp」ですね。
XServerレンタルサーバーの場合、最下位プランでは「.jp」も「.co.jp」も取得できません。どちらもコーポレートサイトでよく使われるドメインのため、人気があります。
この点は明確に法人を意識した差別化ポイントとなっており、「.co.jp」ドメインでのサイトを持ちたいならXServerビジネスが選択肢に入ってくるでしょう。
「XServerビジネス」がおすすめなケース
法人であれば誰でも「XServerビジネス」を選ぶべきかというと、そんなことはまったくありません。新規のホームページ程度の用途であれば、ほとんどの法人でも「XServerレンタルサーバー」で十分になります。
サーバー選びで失敗しないためには、法人か個人かではなく、「目的」による選択が必要です。
「XServerビジネス」が必要になるケース(目的)はとても限られています。たとえば、以下のような場合におすすめです。
- すでにある程度アクセスがある大規模メディアのサーバー移転
- 大規模な流入が見込まれる法人ホームページ
- レンタルサーバーのみの契約でホームページも同時に用意したい
- Web担当者がおらず、ホームページの保守・運用もXServerに任せたい
- 法人向けのドメイン「.co.jp」を同時取得したい
「XServerビジネス」の契約料金はとても高額なので、「XServerレンタルサーバー」とどちらにすべきか、慎重に選びましょう。XServer自体は20年以上のサーバー運用歴があり、シェア率も国内トップの信頼できるサービスなので、目的にあわせて選べば安心して契約できるでしょう。