打ち合わせやウェビナーの内容を文字起こしして、あとから見返したり議事録にまとめたりしたいと考える人は多いはずです。Zoomには標準で文字起こし機能が搭載されており、無料プランでも設定さえすれば追加のアプリなしで会議中の発言をその場でテキスト化できます。
ただし、会議後にクラウド上で自動生成される文字起こしや、AIによる自動要約は有料プラン限定の機能です。無料の範囲と混同すると、「設定したはずなのに使えない」と戸惑う原因になります。
この記事では、Zoom公式のヘルプ情報をもとに、無料でできる範囲と有料プラン限定機能の違い、具体的な設定手順、精度を上げるコツ、議事録や要約への活用方法までまとめて解説します。
Zoomの文字起こしは無料でできる? できることと有料プランの違い
Zoomの文字起こしは、無料(Basic)プランでも利用できます。会議中にリアルタイムで字幕を表示し、発言内容を全文の文字起こしとして確認・保存する機能は、有料プランに加入していなくても使えます。
一方で、会議が終わったあとにクラウド上で自動生成される文字起こしや、AIによる自動要約は有料プラン(プロ以上)でしか使えない機能です。無料でできる範囲と有料限定の機能は、あらかじめ分けて理解しておきましょう。
会議中に字幕を見ながら文字起こしを保存するだけなら、無料で十分です。あとから自動で要約まで欲しい場合や、録画とセットで文字起こしを残したい場合に、有料プランへの加入を検討する流れになります。
Zoomの文字起こし(無料機能)を設定して使う方法
事前準備|Webポータルで自動字幕をオンにする
会議中に文字起こしを使うには、あらかじめ設定をオンにしておく必要があります。有料プランでは初期状態でオンになっていることが多いのですが、無料プランではオフのままになっているケースがあるため、まず自分のアカウントで確認しておきましょう。
- Zoomウェブポータルにサインインする
- 左側メニューの「設定」から「ミーティング」タブを開く
- 「ミーティング内(詳細)」にある「自動字幕」「全文の文字起こし」「字幕の保存」をすべてオンにする
会議中に文字起こしを表示・保存する
- Zoomミーティングを開始または参加する
- 画面下部のコントロールバーで「字幕を表示(CC)」の横にある上向き矢印から「全文の文字起こしを表示」を選ぶ
- 画面右側に表示される文字起こしパネルの「文字起こしを保存」をクリックすると、テキスト(.txt)ファイルとしてパソコンに保存できる
文字起こしパネルは会話をリアルタイムで追いながら表示されるため、会議中に聞き逃した部分をその場で読み返すこともできます。字幕は日本語を含む35言語に対応しており(調査時点)、実際に話す言語をあらかじめ選択しておくと精度が安定します。
文字起こしには会議の発言内容がそのまま残ります。社外秘の情報を含む会議では、保存したテキストの共有範囲に注意しましょう。
Zoomの文字起こしの精度を上げる4つのコツ
Zoomの文字起こしは音声認識をもとに自動生成されるため、環境によって精度にばらつきが出ます。Zoomが公式に推奨している精度向上のポイントは、次の4つです。
- 周囲の背景ノイズをできるだけ減らす
- マイクに向かってはっきり話し、書類をめくる音やタイピング音、発言の重なりを避ける
- 1回線を複数人で共有している場合は、実際に話す人の近くにマイクを置く
- パソコン内蔵マイクよりも、ヘッドセットなどの外部マイクを使う
複数人が参加するオンライン会議では、発言が重なるだけで文字起こしの精度が大きく落ちます。進行役が「一人ずつ話す」ことを意識するように呼びかけるだけでも、読み返したときの精度は変わってくるでしょう。
Zoomの有料プラン限定「クラウド録画の文字起こし」でできること
プロ以上の有料プランでクラウド録画を有効にすると、会議の録画データにひもづく形で文字起こしが自動生成されます。無料機能の「その場で表示する字幕」とは別の仕組みで、次のようなことができるようになります。
- 録画を再生しながら、字幕として文字起こしを表示できる
- フレーズ単位でテキストを編集し、誤変換や話者名を修正できる
- 文字起こし内のキーワードを検索できる(管理者はアカウント内を横断検索することも可能)
- 英語・日本語・韓国語など19言語に対応しており(調査時点)、あとから言語を変更して再文字起こしもできる
クラウド録画と文字起こしがそれぞれ利用可能になったタイミングで、個別にメール通知が届く仕組みです。会議の様子を録画ごと社内に残したい場合や、あとから発言者を正確に特定したい場合は、無料の字幕表示よりもこちらのほうが向いています。
Zoomの文字起こしを議事録・要約に活用する方法
文字起こしをそのまま議事録として使おうとすると、発言をただ並べただけの状態は読みづらいのが実情です。Zoomには文字起こしをもとに自動で要約する機能もありますが、利用できる条件には注意が必要です。
AIアシスタントの自動要約は有料プラン限定
ZoomのAIアシスタント「ZoomMate(旧AI Companion)」には、会議の発言内容から要約を自動生成する機能があります。ホストが会議中に要約の生成を開始すると、終了後に要約が自動で作成され、メールやチームチャットに届く仕組みです。
ただし、この機能はプロ以上の有料プランで、かつ管理者が事前に設定を有効にしている場合に限られます。無料プランでは利用できません。
無料プランなら生成AIに文字起こしを貼って要約する
無料プランでZoomMateが使えない場合は、保存した文字起こしのテキストをChatGPTなどの生成AIに貼り付けて要約させる方法が現実的です。たとえば、次のようなプロンプト(AIへの指示文)を使うと、議事録に近い形に整えられます。
以下はオンライン会議の文字起こしです。話し言葉の言い間違いは整えつつ、「決定事項」「ToDo(担当者・期限)」「次回までの宿題」に分けて箇条書きで要約してください。
文字起こしの精度が低いと要約の質も落ちてしまいます。前述の精度を上げるコツを実践したうえで活用すると、手直しの手間を減らせるでしょう。
会議が長時間におよぶと文字起こしのテキスト量も多くなり、生成AI側の文字数制限に引っかかることがあります。その場合は、話題の区切りごとにテキストを分割して要約させると、精度が安定しやすくなります。
Zoomの文字起こしで物足りないときはAIツールも選択肢に
Zoom標準の文字起こしは無料で使える一方、次のような点で物足りなさを感じる場合もあります。
- 話者ごとに発言を自動で分けたい(話者分離の精度をもっと上げたい)
- 文字起こしと同時に、精度の高い要約や翻訳まで無料プランのまま使いたい
- Zoom以外の会議・音声ファイルもまとめて同じツールで文字起こししたい
こうした要望が強い場合は、文字起こしに特化したAIツールを組み合わせる方法もあります。選ぶときは、対応言語や話者分離の精度、無料で使える範囲、既存の議事録ツールとの連携のしやすさを基準に比較するとよいでしょう。
録画を字幕付き動画として書き出したいなら動画編集ソフトも
ここまでとは少し目的が変わりますが、Zoomの録画データに字幕を焼き込んで、そのまま動画として書き出したい場合は、動画編集ソフト側のAI字幕機能を使う方法もあります。
動画編集ソフトで知られるWondershare社が提供するWondershare Filmoraには、動画や音声ファイルを取り込んで自動で字幕テキストを生成する「自動字幕起こし」機能があり、日本語の文字起こしにも対応しています。ただし、認識精度は環境によって差があるため、実際に試して確認することをおすすめします。

Zoomの文字起こしに関するよくある質問
Zoomの文字起こしが表示されない・使えないときは?
多くの場合、事前設定で「自動字幕」「全文の文字起こし」がオンになっていないことが原因です。Zoomウェブポータルの「設定」から「ミーティング内(詳細)」を開き、該当の項目を確認しましょう。
デスクトップアプリやモバイルアプリが古いバージョンのままだと表示されないこともあるため、あわせて更新しておくと安心です。ホストが字幕機能自体を無効にしている場合は、参加者側の操作だけでは表示できません。
Zoomの文字起こしが英語になってしまうのはなぜですか?
自動字幕は英語がデフォルトの言語になっており、話す言語を選択していないと英語のまま認識されてしまうことがあります。会議前に字幕の言語設定で日本語を選んでおくと防げます。
なお、一度日本語を選んで使った会議であれば、次回以降のミーティングでもその設定が引き継がれます。
Zoomの文字起こしは相手にバレますか?
字幕・文字起こしの表示だけであれば、Zoom公式のヘルプ上で同意確認の対象として明記されている記載は見当たりません。一方、クラウド録画やローカル録画を伴う場合は、参加者に録画への同意を求める通知が表示される仕組みになっています。
周囲に配慮したい場合は、会議の冒頭で文字起こしを使うことを一言伝えておくと安心です。
文字起こしを保存し忘れた場合、あとから見返せますか?
会議中に表示される無料の文字起こしは、その場で保存操作をしないと会議終了後には残りません。保存を忘れると復元はできないため注意が必要です。
有料プランでクラウド録画を有効にしていれば、録画にひもづく文字起こしがサーバー側に自動保存されるため、あとからウェブポータルで確認できます。
文字起こしを自分だけに表示させることもできますか?
できます。字幕・文字起こしの表示は参加者ごとの個人設定になっており、初期状態では各自が自分の画面でオン・オフを選べます。自分だけオンにしても、他の参加者の画面に表示が強制されるわけではありません。
ただし、ホストが「ホストと共同ホストのみ有効化できる」設定にしている場合は、参加者は自分の判断だけでは有効にできず、ホストへのリクエストが必要になります。
ホスト以外の参加者でも文字起こしを使えますか?
使えます。ホストが会議で自動字幕を有効にしていれば、参加者側の操作で全文の文字起こしを表示・保存できます。
ホストが有効化できる人を制限している設定の場合は、参加者からホストにリクエストを送る流れになります。
まとめ|Zoomの文字起こしは無料の範囲から試そう
Zoomの文字起こしは、無料プランでも会議中の字幕表示と全文文字起こしの保存まではカバーできます。一方で、クラウド録画にひもづく自動文字起こしや、ZoomMate(旧AI Companion)による自動要約は有料プラン限定の機能です。
まずは無料の範囲で設定して試してみて、精度や活用の幅に物足りなさを感じたタイミングで、有料プランへの切り替えや外部ツールの導入を検討するとよいでしょう。

